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炭酸飲料などの清涼飲料水やスナック菓子ほか添加物の入った飲食物には、「リン酸系」のみならず、「リン酸」と表示されていなくても、実はリン酸が含まれている一括表示の添加物も入っています。よって、添加物入りの飲食物を食べていると、知らず知らずのうちにリンが過剰摂取されます。
リンはどんな食品にも含まれているので、あなたが腎臓機能障害を持っておらず、糖尿病性ケト酸血症や低リン血症性くる病でもないかぎりは、リン不足になることはありません。つまり、体内では簡単に、リンの量が過剰となってしまうのです。
血液中のリンとカルシウムの適正比率は一対二です。もしリンの量がカルシウムの半分を上回れば、血液はすぐさまカルシウム不足の状況となります。その穴埋めをするために骨からはカルシウムが抜かれ、血中へと放出されることによって、骨粗鬆症・リウマチ・関節症が進行していくことになります。
腎機能の正常な人がリンを過剰摂取すると、副甲状腺ホルモン(パラソルモン) の分泌が亢進され、再び骨からはカルシウムが溶出されます。腸管ではカルシウム吸収率が上昇して、腎臓はカルシウムを保持しようとし、リンの吸収は抑制されます。
こうして、血中のカルシウムとリンの濃度は正常範囲内に戻ることができるのですが、血液を安全な状態に戻す代わりに、やはり骨や関節が身代わりとなって、生命維持に欠かせないカルシウムを血液へ補給する「骨粗鬆症・リウマチ・関節症」という延命措置がとられるのです。
さらに、もし、リンの過剰摂取に加えて、怒りや恐れが繰り返された合は? 感情の乱高下によって、ホルモン分泌が正常にされず、腸管や腎臓に正しい命令は伝えられないため、血中のカルシウムとリンの濃度は、なかなか正常範囲内に戻ることができません。
カルシウムは歯や骨の形成だけでなく、心臓や脳の活動を大きく支えているため、もし一定の濃度でなければ、それらの働きが保てず、生命活動が危機を迎えてしまうのです。そこで、からだは中央(脳や心臓)を守るために、やむを得ない選択として、地方(手足の関節など)を犠牲にするのです。
血液中のカルシウム不足やリン過多だけでなく、血栓などの異物でとおり道の血管が詰まっても、脳梗塞・心筋梗塞など重篤な症状を引き起こして、生命の危機を迎えます。
この危険な状態を回避して延命させるためにも、「不要なものは早く血管の外へ移動させよう」とする絶妙な治癒システムが働いているように感じます。
おそらくは硬くなった血管壁などにくっついているカルシウムが、リンと化学反応を起こして骨の破片のようなリン酸カルシウムの結晶となるので、それらを血管の外へと移動させることによって、血液中のリン濃度を下げるのではないか?と推定されます。
血中の余分な脂質やコレステロールなどもくっついて大きくなった、カルシウムやリンの結晶(結合物)は、体内静電気によっていろいろな組織へと引き寄せられます。そして筋肉・関節・内臓などへ侵入したあとは、カルシウムやリンが本来、向かうべき骨とは違う場所(異所)に沈着するしかありません。
不要なものと結合して、骨に入っていけないほど大きくなった結晶が沈着した部位は硬くなり、関節は変形し、動きづらくなるけれど、その「異所性石灰化」によってようやく、脳や心臓は無事に動くことができ、血管は詰まることなく、自分の生命を守りつづけることができるのです。やはり、さまざまな病気は、どんなに軽症であっても、立派な延命措置に変わりないと思います。
さて、ここで大切なことは、食事療法と思考改善法は、同時に取り組まれなければ意味がないということです。リンの過剰摂取をやめるか、感情の乱高下をやめるか、そのどちらか片方だけやっても、病気をつくり続けるプロセスを止めることはできません。
リンの過剰摂取は、シュウ酸カルシウムが主な成分である尿路結石も引き起こし、リンの過剰摂取が長期にわたると、副甲状腺ホルモンの過剰分泌が原因となって、腎不全を引き起こします。つまり、血中で高くなりすぎたリンの濃度を下げる働きを、腎臓が果たせなくなるということです。また、ホルモンの分泌異常が起きれば、感情はますます不安定になり、いよいよ起伏が激しくなることになります。
リンの過剰摂取も、感情の乱高下も、どちらも病気の原因となっているので、にわとりが先か、卵が先か、という話と同様、どちらかの原因だけが先にあったのではなく、どちらの原因も同時にあるからこそ、からだはいつまでも病気であり続けるプロセスを、繰り返すしかなくなっているのでしょう。
リンは、牛乳(乳製品)や魚介類、肉にも多量に含まれます。魚介類の中でも、特に田作りや煮干しに使われるかたくしいわし、スルメ、桜えびなどの干物や魚の卵に、リンとコレステロールが多く含まれています。
肉の中でも、特にレバー、胃、ハツなどの内臓に、リンとコレステロールが多く含まれています。肉の場合、リンとカルシウムの比率は、二〇対一なので、肉ばかり食べていると骨はカルシウムを失ってスカスカになり、関節症や骨粗鬆症であり続けるリスクが高まります。
中村式温熱療法は「温熱」「栄養」「メンタル」という、3つの土台のバランスを整えることで、免疫力・快復力を最大限に高め、健康になる温熱療法です。
(「東洋三理療法」といいます。)
中村 司
(財)日本東洋医学財団 理事長
中村式温熱療法 提唱者
祖母が27年間リウマチで寝たきり状態だったため、
幼い頃より難病の消滅を悲願とし、治療師の道に進む。
その克服法を完成に近づける途上、自分自身に激しい
リウマチ症状が現れたが、約3週間で克服した経験をもつ。
治った患者さんの共通点を分析した「東洋三理療法」、
遠赤外線でいつでも体を温められる 「中村式温熱」、患者さんと共同開発した
「KIK療法」など、独自の視点から創案した治療法も多い。
Copyright © 2015 中村温熱療法