記事検索
記事検索
文字の大きさ
2016/08/19
【要点】
耳が聞こえにくい「耳管開放症(じかんかいほうしょう)」の治し方
効果のある治療法はあるか?
→ 第一選択として、東洋医学の鍼をお勧めしたい。
(耳周囲のツボ、胸鎖乳突筋に30分以上置鍼して血行改善すれば、効果が期待できる→ポイント)
次善の治し方として、テープ鍼、皮内鍼(ひないしん)など治療費の安くて済む方法をお勧めしたい。
耳管開放症が起きる原因として、胸鎖乳突筋あたりの筋肉が硬くなって血行が悪いのが主な理由と考えられる。
というのも、逆説的な治し方ではあるが、東洋医学の鍼で血行を改善したところ、妻の耳管開放症が解消したことから。
東洋医学の治療法では、自己治癒力の発揮、血行改善をすることにより多くの病気を治すが、その好例といえるのではないか。
ただあくまで卑近な一例であり、皆さんの追試実験により、耳管開放症に効果のあることを証明してもらえればうれしいことです。
---------
耳管開放症を治すための治療法として、鍼など東洋医学がお勧め
【本文】
今年、妻が突然、右耳の調子が悪く、声や音が聞こえにくくなった。
左耳は特に問題ないとのこと。
Google検索で、耳が聞こえにくい、原因等と調べたところ、耳管開放症の疑い。
特徴として、耳の後ろを抑えたり、深いお辞儀をすると声や音が聞こえやすくなるという。
加味帰脾湯(カミキヒトウ)という、血行を良くして耳管開放症に効くといわれる漢方薬があるとのことで、「加味帰脾湯の服用をしばらく試したいけど、どう思う?」と言われた。
いままで患者さんに対して、いろんな治療をしてきた中で、頭部であれば、頭の働きを良くしたり、目を良くするという事はやってきた。
ただ「耳の治し方」という課題は、稀ではないか、と思う。今までの経験で記憶がないほど専門外。
薬について、私は西洋医学の薬剤はもちろん避けたいし、東洋医学とはいえ漢方薬についても少し懐疑的というか、消極的な思考がある。
漢方薬は、一般の西洋医学の薬剤に比べれば、副作用・危険性もかなり低いのは確かだろう。
ただし漢方薬の特徴として、人/体質により当たり外れもあるし、効果があるのか試すための時間、検証期間もどれだけ必要になるか、むつかしい部分もある。
何より、長期になることがあり、費用対効果も気になるところだ。
なぜそんなことを重要視するかといえば、私が、検証期間が短くて済む世界に身を置いているからかもしれない。
マッサージ、整体、鍼灸は、ある程度以上、即効性が見込まれ、検証も早いからだ。
耳管開放症に限れば、マッサージ・整体は、妻にとって気持ち良いものの、あまり効果が見られなかった。
対して、鍼がいちばん即効性があり、たった1度の治療でも、耳がつまらなくなったとのこと。
そこで、いちにち一回の治療を三日間続けたところ、耳が聞こえなくなることがなくなった。
その後、私のほうで出張が続いて、しばらく治療できなかったところ、耳が聞こえにくくなることがあったので、しばらく続けることとした。
それ以降、右耳が聞こえにくくなることはなくなったという。
※また、胃腸機能の低下、自律神経の乱れによっても耳のトラブルになりやすいため、こだわりホットパックを持っている人は、お腹と背骨もよく温めてほしいと思います。
---- 参考 ----
【加味帰脾湯が、処方される人の特徴・体質】
体質的に虚弱
疲労が強い
神経質
太ったり、筋肉質でなく、体が細くて血の巡りが良くない人
【分析/漢方薬 加味帰脾湯(かみきひとう)が、耳管開放症に採用される理由】
主に精神的な疲労、イライラ、胃腸の虚弱を改善するから、と考えられます。
また全身の血行を良くすることも指摘されます。 →特に耳周囲の血行を良くしたい
耳管開放症や突発性の難聴などの原因は背景にストレスがあるとされ、リラックスすることで軽減されるでしょう。
耳のトラブルの背景となったストレスについても考えてみたいところですね。
【耳周囲、首の血行改善を目標とする治し方】
耳のツボ、胸鎖乳突筋に30分以上、置鍼(ちしん/おきばり)したい。
耳管開放症が起きる原因として、胸鎖乳突筋あたりの筋肉が硬くなって血行が悪いこと、自律神経の乱れ、胃腸など内臓の不調が主な理由と考えられる。
首の周りを温める、筋肉をふくむ全身を緩めること、全身の血行を高いレベルに改善することが大切。
妻から「耳管開放症は地味だけど、とてもつらいもので、解決策があることを多くの人に伝えて欲しい」と言われ、今回の記事を書いたものです。
以下、参考になるよう、治し方において必要なことを書いておこうと思います。
中村式温熱療法は「温熱」「栄養」「メンタル」という、3つの土台のバランスを整えることで、免疫力・快復力を最大限に高め、健康になる温熱療法です。
(「東洋三理療法」といいます。)
中村 司
(財)日本東洋医学財団 理事長
中村式温熱療法 提唱者
祖母が27年間リウマチで寝たきり状態だったため、
幼い頃より難病の消滅を悲願とし、治療師の道に進む。
その克服法を完成に近づける途上、自分自身に激しい
リウマチ症状が現れたが、約3週間で克服した経験をもつ。
治った患者さんの共通点を分析した「東洋三理療法」、
遠赤外線でいつでも体を温められる 「中村式温熱」、患者さんと共同開発した
「KIK療法」など、独自の視点から創案した治療法も多い。
Copyright © 2015 中村温熱療法